Talks

15:30−16:30

暮らしとアートのインターセクション

急速なグローバル化による他者との接続と新型コロナウイルスによる分断を経て、再び身近な存在や、日々の暮らしの大切さに注目が集まる現代。日常生活と共にある工芸品の美に着目することや、地域文化を色濃く反映する民藝を通して現代美術や工芸を見つめ直すことは、美の再認識を促すとともに、文化間、分野間の価値観の差異を俯瞰し、越境していく一助となるでしょう。
本トークでは、海外の視点から民藝や現代アートの分野で展覧会を企画するキュレーターのニコラ・トレンブリー氏、京都を拠点に漆を使って作品制作を行う美術家でLoewe Craft Prize 2019グランプリを受賞した石塚源太氏、大阪中之島美術館館長の菅谷富夫氏をお招きし、アートと私たちの暮らしをつなぐ工芸および民藝の可能性についてお話を伺っていきます。

登壇者
ニコラ・トレンブリー(キュレーター/美術批評家/アドバイザー)
石塚源太(美術家(漆))
菅谷富夫(大阪中之島美術館 館長)

 

登壇者プロフィール
 

ニコラ・トレンブリー

パリとジュネーブを拠点に活動する美術評論家、キュレーター、アドバイザー。現在はSyzの現代美術部門のコレクション・ディレクターも努める。ジュネーブのマムコ、パリのポンピドゥー・センター、ディジョンのル・コンソシアム、パリのギメ美術館など、さまざまな機関とのコラボレーションを行い、Numeroなどの雑誌にも寄稿している。工芸と現代美術の相互作用や、展示のあり方に関心を持つ。

これまでに日本の民藝運動に関する展覧会の企画を多数行い、特に現代美術の文脈における民藝運動の問い直しに取り組んでいる。2013/14年にペース・ギャラリー・ロンドンとニューヨークで “Mingei:Are You Here?”、2019年に現代美術 艸居(京都)で “Mingei Now”、2020年にタカ・イシイギャラリー(香港)で “The Mingei”、2022年にla Monnaie de Parisで “Mingei Asia Now” を開催。
最近では、2022年にパリ国立アジア美術館ギメ館で開催された “Ceramics by Wifredo Lam”、2023年にギャルリー・フランチェスカ・ピアで開催されるグループ展 “CRAFT” のキュレーションを担当。
2024年のアート・パリ・フェアのクラフト・キュレーターに任命されている。

Verlag der Buchhandlung Walther und Franz Königから出版された著書「Keramikos」は、2021年に最も美しいスイスの本として賞を受けた。現在、工芸に関する自信の著書を執筆中。

Annik Wetter
石塚源太

1982年京都生まれ。2006年ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(ロンドン)に交換留学。2008年京都市立芸術大学大学院工芸科漆工専攻修了。京都市京セラ美術館「跳躍するつくり手たち」(2023)、金沢21世紀美術館「第4回 金沢・世界工芸トリエンナーレ 越境する工芸」(2019)、ミネアポリス美術館「Hard Bodies」(アメリカ、2017)、などの展覧会に参加。2019年ロエベファンデーションクラフトプライズ2019大賞、京都市芸術新人賞受賞。

Web: 石塚源太

Koroda Takeru
菅谷富夫

1958年千葉県生まれ。財団法人滋賀県陶芸の森学芸員、大阪市立近代美術館建設準備室学芸員を経て2017 年より大阪中之島美術館準備室長。2019年初代館長に就任。近代デザイン、写真、現代美術の分野を担当する一方、新しい美術館整備を統括する。館外においても上記分野の批評・評論活動を多数行う。準備室時代に担当した主な展覧会は「美術都市・大阪の発見」展(1997年)、「早川良雄の時代」展(2002年)など。共著に『都市デザインの手法』(1998年)、『デザイン史を学ぶクリティカルワーズ』(2006年)など。

Web: 大阪中之島美術館

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Talks アーカイブ
https://youtu.be/3jGd14L9kcc

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