K01
アートコートギャラリー
(大阪)
空の境地・幽玄の美に触れる
京都ゆかりのアーティスト、西野康造・福本潮子・吉岡千尋、各々の新作で展示を構成します。
京都の豊穣な自然と歴史を背景に、空の境地・幽玄の美を追求する作品の連関により、精神の深淵に触れる機会創出を試みます。
吉岡千尋は紅葉の樹木と空の仰瞰風景を緻密に描いたシリーズ《muqarnas》を出展します。2000年代より光景の模写をテーマに制作する吉岡の絵画は、微細な光の変化を色彩の濃淡と独自のメディウムで描き、光と闇が交差する現代に新たな啓示的体験をもたらします。
「具体」の最後の展覧会に出品し、コンテンポラリー藍染「JAPAN BLUE」の世界を拓いた福本潮子は、希少なトルファン綿と出会い90年代より続く《点の仕事》シリーズを出展します。藍青に浮かぶ白点は、時空を超え輝き続ける星の光であり、蛍の儚さをも表します。
宙空や自然事象をテーマに、精緻な手仕事でステンレスやチタンの構造美から成る大型彫刻を制作する西野康造は、周縁の空気の流れを受けて動くキネティック作品を出展します。優美な造形ラインは軽やかに景色の奥へと溶け込んでゆき、私たちを雲の上の世界へと誘います。
Gallery Information
2003年の設立以来、野村仁、村上三郎、今井祝雄、中里斉など日本戦後美術を牽引してきた作家、さらに秋山陽、福本潮子、西野康造など、国際的評価の確立した美術家から実力ある若手まで、コンセプト・素材・技術ともに独自性に富む優れた現代美術を紹介。天井高7mの展示空間を活かした企画展のほか、海外での展示コーディネート、建築空間への作品設置、国内外の美術館・財団への販売を手掛ける。2018年には京都・北白川にビューイングルーム「ACG Villa Kyoto」をオープンし、多角的なアプローチで日本の現代美術の発信拠点となることを目指している。